前回、前々回と免疫力を高める生活習慣と食材について書いてきました。
今回は免疫力を高める飲み物についてです。免疫力を高める食材はいくつかありますがその全てをバランス良く食べるのは難しい日もありますよね。そんな時には飲み物からの栄養素の摂取をおすすめします。飲み物から摂取することのメリットはもちろん短時間に手間をかけずに栄養補給ができる事です。
①緑茶
緑茶には、カテキンやカフェイン、テアニンといった栄養素が含まれています。カテキンには強い抗酸化作用と抗菌作用があります。抗酸化作用は免疫力を下げる原因の活性酸素を減らす役割があるので、免疫力を保つ効果が期待されています。
寿司屋で濃い緑茶を出す習慣は緑茶に含まれるカテキンの殺菌作用が生ものによる食中毒予防に役立つからだといわれています。また、カフェインはかつて抗炎症薬の原料にもなったほど免疫力を上げる効果が期待されています。 脳を目覚めさせ、疲労を回復させる効果もあります。
②ヨーグルト
ヨーグルトには乳酸菌が豊富です。乳酸菌は腸に達すると悪玉菌を抑えて有害な物質が作られるのを防ぎ、腸内環境を整えるはたらきがあります。腸には食べ物と一緒に入ってきたウイルスや有害物質に対処するために免疫細胞が多く集まっています。腸内環境を整えることは免疫力をアップに直結します。
健康的な人の腸内細菌は善玉菌のほうが多く、悪玉菌の数が少ない状態になっています。ヨーグルトなどの乳酸菌で腸内環境を整えて免疫力を高めましょう。ただし砂糖や人工甘味料で甘くしてある商品は逆効果なので控えましょう。そして乳糖不耐症の方はヨーグルトなどの乳製品はお腹を壊す原因となるので別の方法で乳酸菌を体内に取り入れる事をおすすめします。
脂質が中心の食事、不規則な生活、各種のストレス、便秘などが原因で悪玉菌が増加すると免疫力が下がるだけでなく、さまざまな健康被害をもたらします。免疫力を上げ健康被害を少なくするためにも、腸内の善玉菌を増やすことはとても大切です。
乳酸菌にはアレルギーを抑制する効果があるといわれています。アレルギーを持つ人の腸内細菌を調べたところ、善玉菌の数が健康な人よりも少ないことが研究で明らかになりました。この事から花粉症にはヨーグルトが良いとも言われています。
③にんじんジュース
にんじんには、βカロテン、ビタミンC、食物繊維が豊富に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変化して皮膚や粘膜の免疫を増強するほか、有害な活性酸素から身を守る抗酸化作用があります。
また、βカロテンは生の野菜から摂るよりもジュースとして摂取するほうが1.5倍吸収率が高いことがわかっています。食物繊維は腸内で善玉菌の餌になるので腸内環境を整えるのにも役に立ちます。
④プロテイン
たんぱく質は筋肉を生成するのに必要な栄養素で、不足すると筋力が低下し、代謝が落ちてきます。代謝が落ちると身体の隅々に免疫細胞などが行き渡りにくくなるので、免疫力が低下します。
そもそも免疫細胞はタンパク質で作られています。食事だけでは一日のタンパク質量が不足するという方はドリンクとしてのプロテインをおすすめします。
⑤生姜湯
生姜にはジンゲロールやショウガオールといった免疫機能を活性化させる栄養素が含まれています。ジンゲロールは、免疫細胞のひとつである白血球を増やすことで免疫力を上げる効果があります。さらに、ジンゲロールは殺菌作用や頭痛を抑える作用があります。ジンゲロールは酸素に弱い性質を持っているので、空気に触れないように液体に入れると良いです。
ショウガオールは血行を良くすることで、免疫細胞が身体を循環する手助けをし、免疫力をあげます。また、ショウガオールには痛みの原因となる成分を抑制するはたらきがあり、冷え性や痛みの改善に役立ちます。つまり、温かい生姜ジュースにすることでジンゲロールが酸化するのを防ぎつつ、ショウガオールと温かさで血流を潤滑にするので、免疫力を上げる大きな効果が見込めます。
⑥はちみつ
はちみつにはビタミンB1、B2、C、ミネラルなどが多く含まれています。ビタミンB2は脂質の代謝に関わる成分で、皮膚や粘膜を正常に保つはたらきがあります。ビタミンCは免疫力を高める以外に、ストレスに耐性をつけたり、貧血の予防やコラーゲンの生成を促進するはたらきがあります。
はちみつを摂取することで、主にこの2つの栄養素により免疫力を高める効果が期待できるほか、便秘の改善や美肌効果、ダイエット効果なども期待できます。甘くないヨーグルトやにんじんジュースにはちみつを入れて少し甘くするのは免疫力を高めるという意味で効果的です。
さてこれまで免疫力を高める飲み物を紹介してきましたが、免疫力を高めるためには体を冷やさない事が大切です。体温が1度上がると免疫力は30%上昇するとも言われます。今回紹介した免疫力を高める飲み物も温かい物を特におすすめします。普段からも冷たい物を飲んだら白湯を飲むなどしてお腹を冷やさない工夫をしましょう。
今回のブログは以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。