皆さんは毎日どのくらいの睡眠時間を確保できていますか?
そして「質の良い睡眠」を取れていますか?
今回は睡眠の効果と、睡眠不足の悪影響について見ていきましょう。
日本人の平均睡眠時間は世界一短いと言われているのをご存知でしょうか。
ある調査によると日本人の睡眠時間は平均で7.33時間。もちろんこれは平均なので中には6時間や5時間という人も。
そして休日に多く寝るタイプの人では、平日の睡眠時間は更に短くなるでしょう。
日本人の国民病とも呼ばれる睡眠不足。では一体どのような影響があるのでしょうか。ここでは6つに分けて解説していきます。
1.イライラする
2.血圧の上昇
3.集中力がなくなる
4.疲労感
5.自律神経の乱れ
6.肥満や様々な病気になる
それでは一つずつ見ていきましょう。
多くの人は寝不足のときは些細なことで怒りっぽくなります。
疲れていると人は不機嫌になり、イライラしたりちょっとした刺激に過敏になったりしてしまいます。
睡眠不足は過剰にアドレナリンを分泌させ、これは肉体を活動的にするために必要なものですが、同時に攻撃性を増してしまうという効果もあるためイライラしやすくなってしまいます。
睡眠不足の影響で血圧も上昇。これは睡眠不足で交感神経が優位になるからと言われており、呼吸数、血圧、心拍数などを上昇させます。
血圧の上昇や心拍数の上昇は、日中には必要ですが、睡眠不足だと夜間の血圧も高いままに。
高血圧の何が危険か、それは主に循環器系疾患のリスクが高まること。
「血圧が高い」ということは、血液が血管壁を押す力が強くなりすぎ、圧力が大きくなりすぎている、ということ。
これは死につながる可能性もある心臓発作や脳卒中を引き起こすリスクとなります。
睡眠不足の人は、特にストレスや不安が加わったときに、危険な血圧の上昇を招く場合があるので、毎晩良く眠るということは全身の循環器系の健康を保つためにも重要だといえます。
睡眠不足が続くと集中力が欠如していき、勉強や仕事などのパフォーマンスが落ちます。
眠いまま作業するより、短時間の仮眠をとるだけでも作業効率がグッと上がるので、我慢せずに仮眠をとりましょう。
集中力の欠如と日中の眠気は大いに関連しています。また、集中力の欠如が続くとやる気の低下にも繋がっています。
怖い話になりますが、ひどい睡眠不足の方の中には、日中に極度の眠気に襲われ、一瞬意識が飛んでしまうことすらあります。
これが乗り物を運転する職業の人に起こるとどうなるでしょうか。
もちろん重大な事故を引き起こす可能性もありますよね。
つまり睡眠不足はその人を不健康にするだけでなく、その人の周りの人に損害をもたらす可能性もあるということです。
疲れている時は誰でも頭がぼんやりとするものですが、それは睡眠不足のサインだったのです。
睡眠不足は目の前の課題に集中するのを難しくし、物事を思い出したり新しい情報を覚えておいたりすることも困難に。
つまり記憶力の低下に繋がるということ。
睡眠を、より多く取ることは、学校や職場で高いパフォーマンスを発揮したい方々にとって強い味方となるでしょう。
身体の疲労は食事をしたり、入浴したりすることで回復させることができますが、最もよい回復法は睡眠です。
寝ている時に成長ホルモンが分泌され、身体の疲れが回復しますので、もし食事や入浴が完璧でも睡眠が不足していると、必ず疲労感や倦怠感に襲われます。
自律神経は人の眠気と覚醒を司る重要なもの。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、健全な自律神経では、日中は交感神経優位に、そして夜間には副交感神経優位になるのが正常です。
自律神経は太陽光や体内時計と密接な関係があり、睡眠不足で体内時計が乱れることは自律神経の乱れに直結します。
自律神経が乱れると夜になっても眠れずに、日中の起きていたい時間帯に強烈な眠気に襲われたりなんてことも。
寝るつもりもないのに気がついたら寝落ちしていた、なんて経験がある方は、睡眠不足や自律神経の乱れのサインに気づいてあげましょう。
睡眠不足で夜間の交感神経優位が続くと、いざ寝ようと思ってベッドに入っても、興奮状態がおさまらずになかなか眠れない状態になり、余計に睡眠不足が加速していきます。
ひどい場合には、体内時計をどこかで一度強制的にリセットする必要があるでしょう。
体内時計のリセット方法としては、何日間か続けて「午前中に太陽光をしっかり浴びて、夜は常識的な時間に寝る」という日々を作ることが有効です。
慢性的な睡眠不足は様々なホルモン分泌を狂わせます。
例えば「レプチン」と「グレリン」。
健康な人でも、4時間睡眠をたった二日間続けただけで、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモンである「グレリン」分泌が増加するため、食欲が増大することが分かっています。
このようにごくわずか(たったの二日)の寝不足でも、私たちの食行動は簡単に影響を受けてしまうのです。
また、慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが明らかに。
体内時計がずれ、不適切な時間帯に食事をすることだけでも生活習慣病の原因に。というのも、夜間には体内時計を調節する遺伝子と特定のタンパク質が活性化しますが、この特定のタンパク質は脂肪を蓄積し分解を抑える作用を持っているから。
つまり「夜食べると太る」というイメージは科学的にも正しく、逆に言うと体内時計から見て常識的な時間に食事をすることは、健康な体を作り、病気や肥満を防止してくれるということ。
また、生活習慣病の方は、睡眠時無呼吸症候群や不眠症の方が多いことが知られており、睡眠障害が生活習慣病のリスクを高め、さらに症状は悪化。
睡眠時無呼吸症候群の方では、夜間の呼吸停止によって低酸素血症と血管収縮、酸化ストレスや炎症、代謝異常、インスリン抵抗性、などの生活習慣病の準備状態が進み、その結果として5~10年後には高血圧・心不全・虚血性心疾患・脳血管障害などに罹りやすくなることが分かっています。
不眠症の方もまた、交感神経の緊張、糖質コルチコイド(血糖を上昇させる)の過剰分泌、うつ状態による活動性の低下、など多くの生活習慣病リスクを抱えており、不眠症状のある人は糖尿病になるリスクが1.5~2倍に。
ここでもう少し睡眠と代謝とカロリーについて述べておきます。
睡眠は消化器系や新陳代謝が機能するためには不可欠なもの。
新陳代謝が最適な状態にあるとき、体は昼も夜もカロリーを消費し、望ましい範囲内の体重を保つのを助けます。
睡眠不足はこのプロセスを妨げ、新陳代謝は鈍くなり、時間が経つにつれて体重増加を引き起こす原因に。
睡眠不足が肥満のリスク要因であると考えられるのはこれが理由。
体が必要とするだけの睡眠を取らずにいると、深刻で命に関わる病気に発展する可能性があります。
睡眠中の体は、心臓などの重要な臓器を修復し、体温や糖代謝などを整えているホルモンは調整され、免疫システムは今後に備えて防御機能を強化。
睡眠不足は心臓病や腎臓病、2型糖尿病などの慢性的な疾患を発症させるリスクを増大させる可能性があり、これらは自分自身や家族の生活を変えるほどの影響を持ちます。
さていかがでしょうか。
睡眠不足の影響についてご理解いただけたでしょうか。
睡眠についての他の記事もあわせてご覧いただけるとより理解が深まります。
スタイルズオンラインでは睡眠に関することの他にも、トレーニング、ヨガストレッチ、瞑想、占星術など様々なコンテンツをご用意しております。
こちらも併せてご覧ください。